「 集中力 」に関する本の中でもランキングで常に上位にランクインする『 ヤバい集中力 』。
私はこの本を大学生になってから読みました。
すると、受験において自分が無意識に実践していたものが多くありました。
また、掲載されているノウハウを使ったところ、確かに集中できると感じるものが多くありました。
そこでこの記事では、
『ヤバい集中力』の概要と、大学受験と就活に『ヤバい集中力』のノウハウをどのように活用し、集中力をいかに上げていくか、お話しようと思います。
人生の成功に最も必要なものは「集中力」である
2016年、海外大学が、イギリスやアメリカで生まれた数万人の子供たちにIQと性格テストを行ったあと、数十年後に全員の収入や健康状態を再チェックし、分析した研究を発表しました。
それによると、人生の成功にもっとも必要なのは、頭の良さではなく「誠実性」である、と判明したのです。
ここでいう「誠実性」とは、目先の欲望に負けずに大事なことにコツコツ取り組める能力=「集中力」だったのです。
人間の心は本能と理性からなる
人間は自分自身に「獣」=本能と「調教師」=理性を持ち合わせています。
「獣」の特徴
①難しいものを嫌う
②あらゆる刺激に反応する
③パワーが強い
「調教師」の特徴
①論理性を武器に戦う
②エネルギー消費量が大きい
③パワーが弱い
となんやらかんやら、いろいろと論理が載っているわけですが、みなさんが知りたいのはどうすれば、「集中力」を上げることが出来るのか、という事だと思います。
以下ではどのようにして集中力を上げていくかお話していきます。
「 集中力 」の上げ方
適切な難易度の勉強や作業をして「集中力」を上げる
おもしろいゲームほど、ステージをクリアするごとに少しずつ難易度が上がっていくものです。
いきなりラスボス級の敵が出てきても当然勝てないし、いつまでもスライムを狩るのは面白くないでしょう。
コロンビア大学2016年の研究によると、被験者にスペイン語の単語を覚えるように指示し、その際に問題の難易度を「難しい」「なんとか解けそう」「簡単」の3パターンに分けました。
その上で勉強の集中レベルを計測したところ、「なんとか解けそう」が圧倒的な集中力を発揮したそうです。
これは「集中力の最近接帯」と呼ばれる現象です。
・難しすぎる場合は、がんばっても報酬が得られそうにないから放っておこうと「獣」が判断して集中できない
・簡単すぎる場合は、いつでも報酬が偉そうだから放っておこうと「獣」が判断して集中できない
のです。
したがって受験勉強においては、背伸びしすぎて、難しい問題集にいきなり手を出したり、まだ春だというのに自分よりかなりレベルが上の大学の過去問に取り組む、などといったことをすべきではありません。
大学受験本番は冬です。
冬に向けて少しずつレベルアップをするために、現時点で自分のレベルに合う問題演習をするようにしましょう。
反復が「 集中力 」を上げる
抽象を嫌う獣は日々繰り返す動作=「反復」を具象のサインだと捉え、獣の内部には「反復」に強く反応するセンサーが備わりました。
何度も繰り返されるものに魅力を覚え、「反復」に対してモチベーションを高めるようなプログラムが実装されたのです。
①この動作をしたら大事な作業に取り組むと決めておく
②決めた手順を何度も繰り返す
この2つを意識して習慣を作り、反復するようにしましょう
簡単なタスクから取り組み「集中力」を上げる
簡単な作業をこなすとその時点で獣は大きな達成感を覚え、脳内に「ドーパミン」という神経伝達物質が大量に放出されます。
したがって、受験勉強において、なかなか集中のスイッチが入らないな、と感じたら、得意教科の簡単な勉強(例えば、英語が得意な人でしたら、英単語の勉強から始める)をすることによって、その後の勉強の集中力を上げることが出来ます。
「できた!」を記録して達成グセをつけ「 集中力 」を上げる
日記やブログなど、なんらかのデータを定期的に残し続ける行為は、いずれも集中力のアップの儀式として機能してくれます。
記録を継続することによって、「自己効力感」が生まれます。
「自己効力感」は、あなたの中に「自分はできる人間なのだ」との感覚を増やす働きがあります。
「これだけ大事なことをしっかり続けられたのだから、自分は高い能力があるに違いない」という感覚が育つのです。
記録の継続があなたの自信を高め、その感覚が日々の勉強や就活に取り組む意欲を高めてくれるわけです。
受験勉強において、Study Plusを活用することによって、毎日勉強時間を記録し、毎日これだけ勉強しているのだから、自分はすごい人間だ、と自分に言い聞かせます。
また毎週、同じようにしっかり復習し、自分の納得いくノートづくりをしたり、解き切った問題集が増えてくれば、それを見て、自分はこれだけやれる人間だと実感することが大切です。
「5のルール」で「集中力」を上げる
8~9割の確率で耐えられる我慢が、心を強くする
海外大学の研究で、日々小さな忍耐を積み重ねておけば、全く違うシチュエーションでも集中力が出やすくなる、ということが分かりました。
一見すると何の意味もなさそうな日常の我慢があなたの集中力の土台を底上げしてくれます。
「小さな不快」で集中力が上がるのは、先の「記録」でみたメカニズムと同じように「自己への信頼感」を育む働きがあるからです。
この時活用できるテクニックが「5のルール」です。
・勉強をやめて休憩したくなったら、あと5分だけ続ける
・エントリーシートを書くのに疲れたら、あと5行だけ埋める
・頭の中で5からカウントダウンをはじめて、ゼロになるまでにとりあえず、勉強をはじめる
指示的セルフトークを使って集中力をあげる
指示的セルフトーク=ひとりごとを使うと、パフォーマンスの向上にプラスの効果があると分かりました。
受験勉強においては、「いまの自分が集中して英文を読めなくなったのは、どこがわからなくなったからだ?英単語か?構文か?」
といったようにセルフトークしましょう。
しかし、ここで重要なのは「俺なら大丈夫!」や「今日は最高の調子だ」といったような自分を持ち上げるようなセルフトークは使わないことです。
休むことで「集中力」を上げる
最後に集中力アップを考えるうえで、もっとも見過ごされがちなポイントを見ておきましょう。
それは、「いったん集中力を諦めること」です。
というのも、なぜだが集中力を発揮できない人たちは、以下のような心理的な特徴があるケースが多いからです。
①集中力を追い求めすぎる
②集中力がない自分を責めすぎる
これは、フロリダ州立大学の研究で分かったのですが、「高い集中力とセルフコントロール能力が欲しい」と答えた被験者ほど、実際には目の前のタスクに集中して取り組めない傾向があったのです。
まず前提として、どれだけ科学的に正しいテクニックを使っても、集中カを発揮できない場面は必ず訪れます。
獣がもたらす注意散漫の影響はとても大きく、つねにパーフェクトな集中力を発揮できる人など存在しません。
ところが、ここで集中力にこだわり続けると、そのうち調教師が「自分には能力がないのだ」と考え始めます。
集中力に意識が向きすぎたせいで、自らのいたらなさが強調されてしまうのです。
更に近年の心理学では「自責の念」が人間のパフォーマンスにおよぼす悪影響の強さが何度も確認されてきました。
これを解決するには、目標を達成できなかった自分、集中できない自分、目の前の欲望に負けた自分を潔く受け入れるほかに解決の道はありません。
できなかったことはさっさと反省し、次に何をすべきかを考えることが良いでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
「集中力」というものは長年その上げ方について議論され、私自身も悩んでいましたが、ここまで明確に答えを提示してくれる本も今までなかったと思います。
受験勉強において、怠惰は一番の敵。
この記事を参考にして皆さんが最高の結果を得ることが出来ればなと思います。
『ヤバい集中力』はこの記事で紹介したノウハウ以外にもさらに細かい方法まで書いてありますので、実際に本を手に取ってほしいと思います。時間をかけて読んで後悔はしないです。
コメント